転職活動していると「あなたが携わってきたっていう実績を証明する手立てはありますか?」と面接官に聞かれることも少なくないはず。
そこで、使われるのが今まで自分が携わってきた実績をまとめた「転職ポートフォリオ」です。
とはいえ、作り方を参考にしようにも、実際に中途採用で入社してきた先輩に聞くと「転職ポートフォリオなんて私は作ったことないよ〜」なんて言われてしまうので、転職ポートフォリオってそもそもあって役立つものなのかと懐疑的になってしまう場面も多いはず。
そこで、今回は「転職ポートフォリオを作るメリットとデメリット」について解説します。
もし転職ポートフォリオを作るべきか悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
転職ポートフォリオを作るメリット
転職ポートフォリオを作るメリットは、以下3つ。
- 自己PRに繋がる
- 実績やサンプルで制作イメージが分かる
- 自分の経験を棚卸しできる
1.自己PRに繋がる
転職ポートフォリオによって、自分の力がどう現場で活かせるのか。成果物という形で証明することができます。
というのも、履歴書や職務経歴書の職歴や面接からだけでは、本当に成果物を作りきれる人材なのかどうか。採用側は、現物でもない限り、求職者の能力を正しく判断できないからです。
例えば、WEBデザイナーという仕事をやっていた場合。
組織の中では自分1人しかいない時とかなら、バナー・WEBサイトのデザインはもちろん、骨格となる下書きやワイヤーフレーム、場合によってはコーディングやお客様対応など。「デザイナー」という仕事の枠組みを超えて、幅広く業務へ対応せねばなりません。
対して、WEBデザイナーとして仕事をしている方が同じ組織に10-20人もいて業務や工程ごとに完全に分業されている現場なら、バナーやランディングページのデザインだけをひたすらに作り続けるなんて現場もあるでしょう。
このように、同じ「WEBデザイナー」という言葉でも、組織規模や環境が違えば、積んできたキャリアのイメージが異なってしまいます。
なので、具体的にどういった仕事をしてきたのか。証明のために、転職ポートフォリオが使われるというわけですね。
2.実績やサンプルで制作イメージが分かる
成果物を他人へ共有する以上、やはり気になるのが制作イメージ。
具体的には、どういった世界観で、何を模して作られたものなのか。
また、制作者自身がどういった分野で活躍していきたい人間なのか。採用側に見てほしい時に利用できます。
例えば質の問題でいうと、フリー素材や商用のアニメ・漫画キャラでないオリジナルのキャラクターサイトの制作実績だけを集めたポートフォリオ・素材系サイトや商用フォントにない筆文字を模したオリジナルフォントだけを集めたポートフォリオ・百貨店や量販店では売っていない柄のオリジナルの刺繍物など。
何が作れて、ライバルと比較したときに、どういうところに優れたものなのか。目に見えた違いを証明できます。
対して量の問題だと「◯◯のイメージのものなら1週間で◯個作れる」「0から作るのは、工期的に時間が足らなかったので、◯◯の部分はフリー素材サイトのテンプレートを使って、他の素材と掛け合わせることでオリジナルの素材を作りだした」など。
締め切り的に絶望的な状況の中、どういった工夫でぶつかった問題に対して立ち向かったのかといった実績も証明できます。
このように、作れるもののイメージと共に積み上げられる成果を説明する上でも、転職ポートフォリオは役立つというわけです。
3.自分の経験を棚卸しできる
作った結果のメリットばかりを考えてしまいがちですが、実は転職ポートフォリオを作る過程でも自分のキャリアを見直す上で役立ちます。
理由として、転職ポートフォリオは人に見せることを前提としたものであり、自らの経験を伝える相手は自分自身のことを何も知らない人間だからです。
つまり、自分を知ってもらうためには大前提「何ができるのか」「どういうものが作れるのか」といったこと以外にも「どういう人物なのか」「何を考え、何を大切にして活動しているのか」など。
価値観や思想も伝えていかなければなりません。その過程で、自分自身が気づいていなかった可能性や今まで考え・思い至ることもなかった選択肢が見えてくることもあるでしょう。
このように、自分の経験や頭の整理にも繋がります。
転職ポートフォリオを作るデメリット
転職ポートフォリオを作るデメリットは、以下2つ。
- 転職活動のスタートが遅くなる
- 自己満足で終わってしまう可能性がある
1.転職活動のスタートが遅くなる
転職ポートフォリオを作っていて陥ってしまいがちなのは、ゴールを決めずに見切り発車で作ってしまい収拾がつかなくなってしまうこと。
その結果「◯◯にこだわった成果物ができるまでは…」と、もうちょっと作り込んでから転職活動を始めたいと、後へ後へと問題が先送りになってしまいます。
とくに今まで転職ポートフォリオを作ったことがない方ほど、こだわりの追求を止められず、本来の「転職活動の成功」というミッションを忘れ、制作活動に没頭してしまうことも少なくありません。
なので、転職ポートフォリオを作り始めるのであれば、最初にどこまで作り込むべきかといった線引きが必要となるわけです。
2.自己満足で終わってしまう可能性がある
転職活動で多数の企業へエントリーしていると、要求される能力・求められる経験がそれぞれ異なることもあるでしょう。
そこで発生してしまうのが「自分が携わっていきたい分野」と「世間が求める能力や分野」に対するズレの問題。
これにより、求職者側にとってはすごい実績であっても、評価をする採用側にとっては微妙な実績という認識で、自己満足の成果物を作ってしまうことも少なくありません。
なので、手間なく転職活動を終えたいなら、そもそも転職ポートフォリオ自体が必要なのかといったことも改めて考える必要があります。
転職ポートフォリオを作る場合の注意点
転職ポートフォリオは自己満足で作ってしまわないためにも、どのタイミングで使うべきものなのかといったことも考えて作る必要があります。
具体的には…
・企業の選考を進めてもらうための「書類選考時」
・面接官へプレゼンするための「面接時」
・内定獲得後の「入社後」
など。
使う場所とタイミングで、扱う情報が微妙に変化するので、制作する際は、用途を考慮してまとめる必要があります。
実際、どういったポイントを見られるのかといった点については、過去の記事でも紹介しているので、転職ポートフォリオを作る際は、ぜひ参考にしてみてください。
おわりに
今回は「転職ポートフォリオを作るメリットとデメリット」について解説しました。
もし転職ポートフォリオを作るべきか悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてください。